しゃぼん玉


見舞いを終え、リクの部屋を出たミズキ達は、たった今帰宅したリクの父·義弘と出くわした。

正美が玄関先で義弘を出迎えている。

ナナセは、義弘の顔を見てはっとした。

こんなところで、今朝会話を交わした知り合いと出会うなんて……。

義弘も同じことを感じたようで、ナナセの顔を見た瞬間、

「東藤君……! なぜここに?」

「リク君のお見舞いに来たんです」

ナナセは小さい声で答えた。

ミズキ、マナ、シュン、メグルは、二人が知り合いなのだとわかったが、義弘の厳格な雰囲気を前に息をのむ。

そんな微妙な空気を吹き飛ばすように、正美はハツラツとした表情で、

「皆さん、リクのお友達だそうよ。

あなた、ナナセ君のこと知ってるの?」

「ああ。彼は、うちの大学の学生さんだ」


皆、ナナセと義弘のつながりに激しく驚いていた。


義弘は、ナナセがリクの友達だと知ってとても喜び、

「そうかそうか。東藤君とリクは友達だったのか。

だったらなおさら都合が良い。

来週から、リクのことよろしく頼むよ。

時間などは、また改めてメールするから」

義弘とナナセは家庭教師の件について詳しい話をするために、連絡先を交換しあった。