宇野マサヤの話を聞いて、顔を赤くしたり青くしていたメグルも、今日、穂積家へメイの荷物を取りに行ったことをリクに話した。
「メイから頼まれた物の中に、こんな物があったんだけど……」
と、ピンク色のビニールでコーティングされた紙袋から、あるものを取り出す。
「それ……!」
リクはおもむろに、メグルの手からそれを受け取った。
それは、リクが小学生になって初めて迎えたクリスマスイヴに、メイに渡した物。
10センチほどの、小さな小さなクリスマスブーツ。
今は、赤い布部分も薄汚れていて中身も空だが、リクが渡した時には、ラムネや飴といった菓子が詰められていた。
リクは涙を我慢できず、その小さなブーツを両手でにぎりしめ、
「メイ、まだ持っててくれたんだ……」
……珍しく雪が降ったあの日……。
雪遊びをしていた二人は、もっとクリスマスらしい物を探したくなり探検していたところ、リクの家の中でこれを見つけたのだった。
それはリクが両親にもらった物だったが、メイがそのクリスマスブーツに視線を止め寂しそうな顔で親指をくわえていたのを見て、リクは迷わず、それをメイに差し出した……。


