ミズキは、数秒の間考えた。
正美の言う通りなのかもしれない。
普通なら、他人の自分がここまでメイのことに関わるのはおかしいし、非常識なことなのかもしれない。
「たしかに私も、自分のことしか見えなくなる時があって、それで、友達や家族に心配をかけてしまうこともあります。
それに、私は穂積さんのことを全て知らないし、こうやって動いているのもおかしなことなのかもしれません。
でも……。他人とか身内っていう枠組みにとらわれたくないんです。
穂積さんの家庭のことを知って、よけいにそう思いました。
血のつながりだけが全てではないんだ、って……。
身内に味方がいない穂積さんは、ずっと独りだったんです。
他人だということを理由に穂積さんを助けなかったら、私は一生後悔すると思うんです」
「でも、あなたには、友達や家族がいる。
もし後悔をしても、あなたを支えてくれる存在がある。
こんなこと言ったらいけないけど、メイちゃんは普通の子じゃない……。
そんなメイちゃんの相手をしていたら、あなたの方がまいってしまうんじゃないかしら?」


