清の頬にも、涙がこぼれていた。
メイの気持ちが伝わり、苦しくて、悲しくて……。
震えるメイの体をしっかりと抱きしめ、清は言った。
「私もメグルも、おじいさんも、メイちゃんのことが大好きだよ。
今すぐでなくていいから、信じておくれ。
みんなね、メイちゃんが大好きなんだ。
それに、メイちゃんは、何も悪くない。
お母さんに愛されたいと願うのは、恥ずかしいことでもかっこ悪いことでもないんだ。
どんな生き物も、生まれてきた以上、母親とは永遠のつながりがあるものなんだから……。
生まれてきた。
ただそれだけで、価値のあることなんだよ。
この世の中に、必要とされない命なんてないんだ。
メイちゃんだって、そのうちの一人なんだよ。
ウチなんかで良ければ、ずっとここにいていいんだよ。
メイちゃんは私達に希望を与えてくれる、大切な命なんだから……。
だからどうか、死にたいなんて言わないでおくれ……」
清はこの時、幼い頃戦争で死んでいった兄弟達の存在を思い出さずにはいられなかった。


