しゃぼん玉


そんな惨(みじ)めな生涯を送るくらいなら、やはり、いま死んだ方がいい。

メイは重たい体から布団を剥(は)ぎ取り、死ぬ場所を探しに行くために不安定な足取りで立ち上がった。

“首吊りはダメだ。

苦しくなった時に、自分で首のロープを取ってしまうかもしれないしね。

高層ビルの屋上から、一気に飛び下りてやる。

痛いのは、一瞬だけだし……”


このあたりに、身投げに適した建物があるのかどうか……。

地理を思い出しながら、静かに部屋の扉を開けた。

メグルの祖父母に見つからないように……。

だが、清はずっとメイのことを見守っていた様で、メイが寝ていた部屋の扉から少し離れた廊下で座椅子に座り、下半身にブランケットをかけた状態で編み物をしていた。

「メイちゃん、もう起き上がって大丈夫なのかい?」

「っ……」