でも、最終的にリクはメイを殺そうとした。
メイのことを昔から知っているリクだからこそ、そうしてくれたのだと、メイは受け止めている……。
“リク……。
あんなに悔しそうに泣きながらも、私の願いを叶えようとしてくれた……”
メイの鼻筋に、あたたかいものが流れてきた。
横向きに寝ているため、それらは頬を斜めに伝い、口元へ流れる。
しょっぱさが口の中に広がり、痛いほど胸をしめつける。
星崎リョウが亡くなった時に感じたのと近い感情が、メイの体を染めつくした。
“私は、これからどうなるんだろう……。
あの母親の子供でいる限り、いつか、知らない男に売られるの?
あんな母親の元で暮らしていかなきゃいけないの?”


