しゃぼん玉


メグルの推測が当たっているのかどうかは、リクにもわからないが、彼はこう考えた。

“メイは、おばさんみたいな女になるのを嫌がってた……。

女を武器にして、男に金の世話をしてもらうような女にはなりたくない、って……。

だから、こうしてお金も返してくれた……。それだけだよ……。


メイは、俺のことを幼なじみ以上には思ってないから……”

以前ミズキ達に聞いた星崎リョウの話が、リクの脳裏をかすめる。

メイは星崎リョウを好きだったのだから、そこにリクが入る余地はない。

でも、こうして手切れ金を受け取らなかったメイ。

リクは、ただそれだけのことでもすごく幸せな気持ちになった。

“「メイは俺とのつながりを絶ちたくないんだろうなー」なんて、思わない。

そんな自惚(うぬぼ)れたこと思わないけど……”