しゃぼん玉


「リク、大丈夫か?」

「やっぱりリク君も風邪ひいちゃったんだね」

シュンとメグルが口々にそう言い、リクの部屋に入っていく。

マナは、階下のミズキの様子を気にしつつも、シュン達と共にリクの部屋に入った。

思ってもみなかった友人達のお見舞いに、リクは慌てて上半身を起こし、

「シュン君!

メグルちゃんと、マナちゃんまで……」

シュンの手にはコンビニの袋が下げられており、その中にはフルーツゼリーやスポーツドリンクがたくさん入っていた。

ここへ来る途中、みんなでお金を出し合い、買ったもの。


「これ飲んで、早く元気になれよ」

「シュン君、ありがとう。みんなも……」

リクは、シュンから受け取ったビニール袋の中身をひとつ取り出す。

すると、ひんやりしたペットボトルの冷たさが、手のひらからじんわり広がって、熱い体にとても心地いい。

同時に、体力が落ちて心細くなっていたリクの気持ちは、その冷たさで消えていくようだった。

みんながこうして来てくれたことが、本当に本当に、嬉しい。