しゃぼん玉


ミズキやマナも、同じ気持ちでその空地を見つめていた。


しばらくすると、中からリクの母親が出て来た。

みんな、リクの母親の雰囲気を見て、落ち着きを失う。

メイに手切れ金を渡した中年女性という話を聞いたことから、もっと刺々(とげとげ)しいスパルタ教育ママのような女性を想像していたのに、実際目にしたリクの母親は、華奢(きゃしゃ)ではかなげな、お嬢様然とした雰囲気を放っていた。

メグルは、目の前の女性こそが、この間S高にメイを訪ねてきた人だと気づく。

あの日、メイが正美から手切れ金を受け取ったのだということも、察した。


「こんにちは。

あら……。……もしかしてリクのお友達?」

正美に訊かれ、メグルはおっかなびっくりで答えた。

「あっ、はい……。

リク君と連絡が取れないんで、もしかしたら体調悪くしてるんじゃないかと思って、お見舞いに来ました」

「そう、わざわざありがとう。

寒いでしょう?

中に入ってね」

メイとリクを引き裂こうとした正美に、一言ガツンと言いたかったのに、柔らかい彼女の雰囲気に負け、メグルの気持ちは引っ込んでしまう。

“メイにお金渡してリク君を遠ざけるなんて間違ってますよ!”

本当は、正美にそう言いたかった……。


正美はミズキ達を見て、

「今、リクは横になっているけど、みなさんが来てくれたって知ったら、喜ぶと思うわ」