リクは、メイの話をすることによって柔らかかった瞳から、少しずつ伏し目になる。
「……じゃあ、俺も聞き返すけど……。
なんで母さんは、俺に他の女の子ばかりすすめてくるの?」
正美は指先でグッと涙を拭った後、こう言い切った。
「普通の子の方が、幸せになれるからよ……。
お母さんにはわかるの。
リクは、メイちゃんとは合わない。
今は良くても、いつか絶対、悩む時がくる……。
でも、他の女の子なら、そういう心配はないもの。
リク……。焦らなくていいから、ゆっくり探しなさい?
メイちゃん以外の女の子を……」
「無理」
リクはきっぱりそう言った。
その目に迷いはない。
「メイ以外考えられない。
母さんは、メイのこと何もわかってない」


