しゃぼん玉


ミズキは、スキンシップに積極的なだけではなく、言葉でも愛情を示してくれる。

自分に自信が持てないナナセだったが、ミズキと付き合ってからは、以前の自分に比べ、自分の行動に自信が持てるようになっていた。


さきほどリクに、穂積メイ宛ての金を渡したが、以前の自分だったらそんな風にできなかった。

“俺なんかが、しゃしゃり出過ぎじゃないかな?”

と、尻込みしていただろう。


けれど、ミズキのおかげで、

自分自身にも、

ミズキに対する愛情表現にも、

自信を持てるようになっていた。


「ナナセ君。今夜、ウチでご飯食べていきなよ」

「うん、そうしよっかな」

ナナセは穏やかに笑う。

ミズキもその笑顔を見ているだけで幸せだった。