真っ赤な顔をそのままに、ナナセは仏壇のリョウに手を合わせる。 ミズキもそれにならい、黙祷(もくとう)を捧げた。 世界で一番、大切な弟……。 もう二度と、声を聞くことができない身内。 だけど、ナナセと出会えた…………。 真面目な瞳で遺影を見つめているナナセ。 ミズキは彼の広い背中を抱きしめるように寄り添った。 「ナナセ君。 大好き……」 小さな声でつぶやく。