ナナセはミズキに同意を示した。
「リク君に穂積さんの話聞いて、俺も思ったんだ。
穂積さんは単なる悪者ではないんじゃないかって……」
穂積メイのしたことは許されない。
人の人生を狂わせたのだから。
リョウが亡くなったことでミズキ自身の中身も変わり、両親の菜月と大成の心もめった刺しに切り刻まれた。
身内が犯人に実刑を下せるのだとしたら、穂積メイは死刑になるに違いない。
そうしても足りないくらいだろう。
だけど、今、ミズキの中にあるこの気持ちは…………。
「シュン君とマナにこの気持ちを話したら、あきれられるかな??
お墓で眠るリョウも、『お姉ちゃんのバカ!!』って、怒るかな……?」
「そんなことないよ。
最初は驚くかもしれないけど、みんな分かってくれるよ」


