しゃぼん玉


ナナセは仏壇の前に座り、リョウの遺影を見つめた。

ミズキもその横に座る。

「マナとシュン君には言えなかったんだけど……。

リク君の話を聞いて、正体不明だったこの気持ちの原因が、やっとわかったの」

「うん」

ナナセはミズキの心を見透かしているかのように、ミズキの横顔を見た。

穏やかで落ち着いたその雰囲気に、ミズキの本音は紐解かれてゆく――。


「初めて穂積さんの顔を見た時……。

あの瞳が……。

何を見ているのか分からない、

冷たいのに、寂しそうな感じが、

以前のマナに似てると思ったの……」