普段は、アイリへの愛情を表現してくれないマサヤだが、アイリと一緒に写った写真を消さずに持っていてくれる。
アイリは胸があたたかくなるのを感じた。
同時に、マサヤを疑ってしまった自分を後悔する。
“こうして勝手にケータイ見るなんて、彼女として最低だよね……。
マサヤが知ったら、絶対怒るだろうな”
そう思いながらも、今度は興味本位で、どんどん画像を見ていく。
そこには、アイリの知らないマサヤの大学生活が詰まっていたから。
アイリとマサヤは、違う大学に通っている。
手段は間違っているかもしれないが、自分の知らない彼の素顔をこうして目にするのは楽しかった。
最初は胸を踊らせて画像を見ていたのだが、画像ファイルの月日を遡(さかのぼ)った先で、アイリはケータイを滑り落としてしまった。
“これ……!!
何……!?”
ケータイ画面の中には、浮気の証拠と同じくらい、いや、それ以上に胸をえぐるものが現れたのだった。


