まずは、電話帳を見る。

だが、怪しいと感じる女の子の名前はなかった。


次に、メールの送受信履歴に、ひとつひとつ目を通していく。

やはり、何もなかった。


『浮気慣れしてるヤツほど、証拠を隠すのが上手いから!

見れるものは全て見るんだよ!

データフォルダとかは、意外に証拠が残ってたりするから』

大学の女友達の言葉が脳裏に浮かぶ。

恋多きその友人は、元カレの浮気をその方法で暴いて別れたと言っていた。


“そっか!!

電話帳や履歴に何もないなら、あとはデータフォルダしかないよね!?”

呼吸が苦しくなるのを感じたが、アイリは調べる手を止めなかった。

目を皿のようにして、画像ファイルをチェックしていく。


マサヤの浮気が、あるものなのか、ないものなのか。

それを確かめれば気が済む。

そう思っていたのに、今、すごく怖かった。

もし本当に、マサヤの浮気が明らかになったら……?