アイリはいまだに、マサヤの浮気の有無を確かめることが出来ずにいた。
彼は、防水性のケータイを持っているのをいいことに、入浴中もケータイを手放さない。
これは、マサヤと付き合ってから常々感じていたことだが、アイリはマサヤに、大切にしてもらえていない気がしている。
どの女性を彼女にしようが、たいして変わらない。
アイリから見たマサヤは、まさにそういう感じだ。
彼女もそんな風には思いたくなかったが、彼の態度から、どうしてもそんな気がしてしまう。
マサヤが片時もケータイを手放さないことが、すでに『浮気してます』と言っているようなもの。
アイリは、マサヤに手料理を作るため、ほぼ毎日マサヤの家に通った。
そして、彼がケータイを手放す瞬間をジッと待ち続けた。
しかし、普通に待っていても何も進展しないので、今日は作戦を立ててマサヤの元にやってきたのだ。


