夕日が地平線の向こうに隠れようとしていたその頃。
ナナセとミズキのジム友達·大垣アイリは、大学の授業を終え、ジムに向かおうとしていたが、迷った結果、行くのをやめた。
“ナナセ君とミズキちゃんがいないと、つまんないしなぁ。
二人とも忙しいみたいだし。
仕方ないのかもしれないけど……”
そう思うのと同時に、アイリは自己嫌悪した。
痩(や)せたくてジムに入会したのに、早くも挫折しそうになっている。
自分の飽きっぽい性格に嫌気がさした。
“こんなんだから、痩せるに痩せられないんだよね。
わかってるんだけどさぁ……。
でも、友達がいた方が楽しいしなぁ”
心の中で言い訳しながら、今日も、交際相手のマサヤ宅へ向かうことにした。


