「引っ越してからも、穂積さんの学校での態度は変わらなかったの?」
ミズキは震える声で訊(き)く。
この震えは、何なのだろう……?
怒りからくるものではないのは確かだった。
リクは戸惑う瞳で、
「それが……。
メイは、転校先の小学校では、ピッタリおとなしくなりました。
今までの暴虐が嘘だったように……」
「おかしいな。
そんな急に変わるなんて。
何かあったの?」
シュンがいぶかしげに口を挟む。
リクは首をかしげ、
「わかりません……。
メイは、新しい小学校ではそれなりになじんで、友達も作ってました」
そう聞いて、ミズキは少し安心していた。
リクの話す《過去の穂積メイ》に、感情移入していたのだろうか……?


