しゃぼん玉


「虐……待?」

ミズキとナナセの声がかぶる。

マナとシュンも、青い顔をして互いに目を見合わせた。

リクは皮肉るように、

「やっぱり、ピンと来ませんか?

こんな話。

そうでしょうね……」

「嫌味はいいから、続きを話せ!」

シュンはズバッとリクを制する。

リクは小さくため息をついてから口を開いた。

「……メイと俺は、生まれた頃は隣同士の家に住んでました。

メイの親は小学生の時に離婚して、今は母親とメイの二人で暮らしてますが、メイが小学四年生の時まで、メイの家族は俺んちの隣に住んでたんです。

俺とメイんちは、家と家の間が、隙間20センチあるかないか……くらいくっついてて、

そのせいか、互いの家からは物音とかが聞こえやすかったんです。


……いつからだったか思い出せないけど。

それくらい昔から、俺んちには、メイの泣き叫ぶ声が、しょっちゅうしょっちゅう、聞こえてきました」