リクはシュンを睨みつけ、
「メイは悪くないです!!
好きであんな風になったわけじゃないんだから!」
「どう考えたって悪いだろ。
弱い者イジメして、その身内から金取って……。
穂積には、された側の気持ちを考えるっつー頭はないわけ?」
シュンは臆(おく)することなく本音で言い返す。
ミズキも思ったことを言った。
「そうだよ。シュン君の言う通りだよ……。
人が一人、死んでるんだよ?
リョウだって、生きていたら今頃、リク君と同じ高校三年生になってた。
部活したり、友達と遊びに行ったり、楽しいことをして、悩んで……。
そういう生活をしていたかもしれないんだよ?
メイって子の事情は知らないよ。
でも、どんな理由があっても、イジメは良くないよ」
ミズキの瞳からは涙が溢れていた。
マナとナナセは、ミズキの肩を抱いて彼女をなだめる。
だが、リクはそれに怯(ひる)むことはなかった。
「シュンさんやミズキさんには、メイの苦しみなんてわからないでしょうね」


