リクは、グッと息を飲み込み、

「すみません……。

メイが、そんなことしてたなんて……」


メイが、過去にリョウを自殺に追い込んだという事実を知り、リクはショックを受けていた。

けれど、驚きはしていない。

「ショックはショックですけど……。

驚きはありません。

メイは、昔から悪いことばかりしてましたから」

「えっ……」

ミズキの瞳は揺れた。

ミズキの中には今、怒りや憎しみといったものではなく、別の感情が芽生えはじめていた。

メイに同情しているわけではないのだけれど、それに近い、悲しみの情……。


リクは過去を振り返るように話し出した。

「メイは……。小学生の時から、万引きや置き引きをしてました……。

おとなしい子を殴って泣かせたり、とかも、しょっちゅうでした……」

「救いようのない性悪女だな」

シュンが吐き捨てるように言う。