ミズキはナナセを止める。

「ナナセくん、ダメだよ、そんなお金……。

渡すことないよ」

「俺のことは、気にしないで。

ミズキちゃんを危険な目にあわせたくないんだ。

お願い、わかって……」

ナナセも真剣だった。

シュンはリクの前にドカッと座り込み、

「そういうことだから、それ、ちゃんと穂積に渡してな?

それでもまた来るようなら、俺らが追い返すって言っとけ」

「わかりました……」

リクは悔しそうな表情をしつつも、冷静に紙袋をしまう。


それまで黙っていたマナは、鋭い視線でリクを見て、

「あまり驚いてないんだね。

幼なじみがそんなことしてたって言うのに……。

穂積メイが来たとき、ミズキちゃんがどんな気持ちになったかわかる?

あんたが代わりに謝るとか、したらどうなの?」

「マナ……」

ミズキはリクとマナを交互に見る。