ファミレスを出たミズキ達は、星崎家へ向かった。

また、穂積メイがミズキを待ち伏せているかもしれないから。


だが、今日はそこに穂積メイの姿はなく、代わりに、別の者の姿があった。

松本リク。メイの幼なじみの少年。


見知らぬ男子の顔を見て、一同に緊張が走る。


マナはリクを見て、

「あの人、カズと同じ学校の制服……!」

カズ、とは、マナの弟の名前である。

高山カズ(たかやま·かず)。

現在高校二年生。南高校に通っている。

シュンも今年南高を卒業した、カズの先輩である。


シュンは考えるより先にその少年の肩を乱暴につかみ、

「お前、穂積メイの仲間か?」

少年は、いきなり見知らぬ人間に肩をつかまれ、かなり動揺していた。

「仲間ってなんすか?

たしかに俺は、メイの幼なじみではあるけど……」

リクは憮然(ぶぜん)たる面持ちでこたえる。