そんな風に、何に対しても無気力、無関心、無感情だったメイに、変化が起きた。

中学一年生の時、メイと同じクラスになった星崎リョウ(ほしざき·りょう)。


この男子と出会って、メイは初めて恋をした。


運動神経はイマイチで、体育の授業ではよくドジをして皆に笑われていたリョウだけれど、優しい瞳で穏やかな話し方をする彼。

勉強は出来る方で、クラスの子に勉強を教えたり、誰かの家に皆を集めてテスト勉強などをしていた。

そういった場に初めてメイを誘ってくれたのは、リョウだった。

「穂積さんも、来る?」

「勉強嫌いだしー。

他誘えばー?」

最初は冷たくあしらったのだが、

「もうすぐ林間学校だし、その時にやるリクリエーションの計画も立てるんだ。

勉強だけじゃないから、来てみない?」

リョウの瞳は、どこまでも澄んでいて優しいものだった。