アイリはそんな気持ちでナナセを待っていたのだが、今日ナナセは一人ではなく女の子と一緒に受付に向かっていた。
それを見てアイリの気持ちは一歩引いてしまう。
“ナナセ君の彼女さん!?”
彼女がいるとは聞いていたけど、まさかジムにまで連れてくるとは思っていなかった。
“優しそうで大人っぽい、綺麗な子だなぁ……”
アイリは、自分の体型とナナセの連れの女の子とを見比べ、うなだれる。
ナナセはミズキの入会手続きを終えるとアイリに気付いた。
いつもの端正な顔立ちに、上品な微笑を浮かべる。
なんだか、自分がここにいることが恥ずかしくなり、アイリはナナセから目をそらしてしまった。


