ナナセは、ミズキの手をスッとにぎる。
この胸の高鳴りに合わせて、空気が震えた気がした。
初めてナナセから手をつながれたことで、ミズキの頬は桃色に染まっていく。
「俺も、いるから」
目を合わせずに真っ赤になっているナナセに、ミズキの気分は浮上していった。
「そうだよねっ。
ジム、楽しみだな。
体動かして、この気分発散しよっ!!」
胸につかえた重たいものを吹き払うように、ミズキは明るくそう言った。
二人がジムに到着すると、ナナセのジム友達の大垣アイリが待合室のベンチに座ってうつむいていた。
アイリはナナセを待っていたのだ。


