しゃぼん玉



翌日の夕方。

大学の講義を全て終えたミズキは、マナやシュンと別れ、校門まで迎えに来てくれたナナセと共に、約束していたスポーツジムに向かった。


顔色の冴えないミズキを見て、ナナセは言った。

「もしかして、今日もあまり食べてない?」

「うん……。なんだか、そういう気が起きなくて。

ダメだよね。これからジムで動くんだから、ちゃんと食べないと」

「そうだけど、無理に食べることもないよ」

そうは言ってみるものの、物憂げなミズキの横顔を見て、ナナセの胸はチクリと痛んだ。

ミズキは、穂積メイのことを考えると充分な睡眠もとれず、食欲もわかなかったのだ……。

ナナセは彼女のそんな心の内を理解していた。