ミズキは改めて仲間の大切さに気づき、心があたたかくなった。
「ありがとう、みんな……」
そして、決意を口にした。
「私ね、穂積さんに偽善者って言われて、すごくショックだった……。
図星だったのかもしれない。
リョウに何もしてあげられなかったことに対する罪ほろぼしの気持ちが、なかったといえば嘘になるから……。
それに、まだ学生の身分で夢も叶ってない未熟者。
だから穂積さんに、
『同情で動いてる、綺麗事ばかりな人』
そう言われても仕方ない。
でも、穂積さんを助けたい……。
私はまだ、宇都宮さんみたいにちゃんとした専門職に就いてないけど、
一人の人間として、穂積さんの力になりたい」
ナナセはミズキをまっすぐ見つめ、
「資格とか、そんなの必要ないよ。
ミズキちゃんのその気持ちだけで十分だと思う。
その気持ち、穂積さんに届けよう?」


