“メグル……。なんで私にこんなことまでしてくれるの?”
そう思ったものの、金はあった方がいいので、メイは淡々とした手つきでそれを財布にしまった。
メグルは満足そうにその様子を見た後、メイの背中を両手で押しながら玄関を通った。
その古びた家屋の中にはあたたかい雰囲気が漂っていて、メイは改めて、この家と自宅の違いを痛感した。
「もう肉の準備できてるらしいよっ。
着替えよ」
夕食で食べる焼肉の準備をしている祖母の背中を、横目に流すメグル。
メグルは自室にメイを招き入れ、スウェットの上下をメイに手渡した。
いま女の子に人気の香水の匂いが漂う、ポップな部屋模様。


