リョウの墓を後にしたメイは、クラスメイトの女子·滝川メグルの家にたどり着いた。

メグルもさきほど帰宅したばかりのようで、制服姿のまま玄関先でメイが来るのを待っていた。


メグルは、本日援助交際で手に入れた数枚のお札をピラピラっと夜風になびかせ、

「メイっ。これあげるっ」

「え?」

メイは無表情の中にも、

“どうしてこれを私に?”

と、疑問の色を浮かべた。

「今日の人めっちゃ気前よくてさ。

カラオケしただけで5万もくれたの。

だからこれっ。半分あげる!」

「……ふーん。

じゃあもらっとく」

「よかった、受け取ってもらえて。

家ん中じゃ渡しづらいからさ」

メグルは祖父母の目を気にしていた。