それに加え、マサヤにとって都合の良い環境は自然と出来上がっていた。
マサヤの脅しに怯えた少女達が、リョウのクラスメイト達に口添えしたのである。
「私達が星崎をイジメてたこと、先生や他のクラスの子達には言ったらダメだよ?
じゃなきゃ、来年の受験に……内申書に響くからさ。
イジメを見て見ぬフリしたことも、悪く言われるに決まってるから……」
皆、それにうなずいた。
それゆえに、ミズキがリョウをイジメた生徒を探しても、見つからなかったのである。
だが、星崎リョウが亡くなったことは学校中や地域でも話題になり、マスコミもそれを取り上げた。
“何もかも、星崎が悪いんだ。
あのツラ、見ててイライラしたんだよな。
優等生ぶってて”
マサヤはそんな自分の過去を思い出しながらベッドに横たわり、さきほどアイリが残していったコンビニ弁当をジッと見つめたのだった。


