だが、今回のアイリは違う。

マサヤがメイの名前を口走ってしまっただけで、

「マサヤから謝るまで、私は折れない」

と、主張した。


「あーもー、めんどくせえなぁ」

マサヤはベッドに背中からドカッと倒れ込むと、ケータイを閉じた。


“にしてもメイのやつ。

画像見るだけって言ってたくせに、アイリからの電話に出たのかよ。

なんつーことしてくれたんだ……。


けど、なんでいきなり星崎リョウの画像見たいなんて言いだしたんだろ。

やっぱりアイツ、あのこと後悔してんのか……?”


マサヤはDVDがしまってある棚に手を伸ばし、そっとあるものを取り出した。

リョウから無理矢理奪い取ったメイ宛ての手紙。

“あの日”のことを思い出す……。