「マサヤ……」

マサヤはアイリの存在などここに無いかのように、弁当を口にし、テレビをつけた。

お笑い系の番組がやっていたのだが、それを見て一人でゲラゲラ笑っている。

アイリは涙をこぼして自分の荷物をまとめた。

「今回だけは、折れないから。

マサヤがちゃんと話してくれるまで、私からは謝らないから」

そう言い、彼の部屋を出た。

マサヤはアイリを引きとめることなく、そのままテレビを見続けていた。



――約2ヶ月前のこと。

たった一日だけ、マサヤはメイに、自分のケータイを貸したことがある。


いきなりフラリと現れたメイに、

「あの時撮った星崎の画像、まだケータイに残ってる?」

と訊かれ、マサヤはうなずいた。