「あんた、私よりあんなガキがいいわけ!?」
「そうじゃねぇけど」
男は言い訳のようにこう言った。
「だって、弁護士のフリなんつーまどろっこしいマネしてたって、メイちゃんは全然ヤラせてくんないでしょ??
だったらそうするしかないんじゃねえ?」
宇都宮は頭をもたげて腕を組み、
「最初は俺もそう思ってここに来たんだけどさー。
その時はタイミング悪くリク君がいたし、こりゃ大事(おおごと)にはできないって思ったの。
だから、時間をかけてゆっくり…ね。
そうすれば穏便に事が運ぶ」
翔子は頬杖をつき、
「うまくいくの?
信じていいのね?」
「大丈夫大丈夫。
リク君も完全に俺のこと信用してるし、メイちゃんも最初の頃に比べるとだいぶ俺に心開いてくれてるし」
翔子はイライラを表すように、右手の指先を机に当ててコツコツと鳴らした。


