しゃぼん玉


今まで、どんな風にメイと関わってきたのか。

リクは順を追って、話していった。

涙を流し、時には怒りを交えながら……。


リクが全てを話し終わる頃、みんなはリクの恋心に気づいた。

リクは一言も、メイを好きだとは口にしていないが、話しぶりに全てが表れていた。

シュンはリクに近付き、

「お前、イイヤツだな。

昔から穂積のためにいろいろしてきて……。

バイトもしたいって考えてたんだな」

シュンは、今リクが通っている南高の卒業生なので、南高が原則バイト禁止だと知っている。

それをわきまえた上で、

「俺、南高行ってたけど、三年間バイトしてたぜ。

店みたいに接客業中心だと危ないけど、裏方作業だと意外にバレないんだ」

リクは弾かれたように面(おもて)をあげ、

「えっ! シュンさん南高だったんすか!?

ていうか、前から、どっかで見たことある顔だとは思ってたんすけど……」

リクは記憶をたどるように、目を泳がせる。