しゃぼん玉


そんなことは初めてだったので、リクはかなり戸惑った。

元々メイは感情が表に出てこない子なので、見た感じクールなのは知っていたが、そうではなく、メイはあからさまにリクとの交流を拒絶したのだ。

いつも通り、リクが食事をするべくメイを誘うと、

「何が目当てなの?」

と、彼女は冷たい視線を向けた。

「もう来ないで。

キモイから」

冷ややかな声でそう言われ、リクは再起不能となってしまった。

メイを問い詰めることはできなかった。

メイからしたら、今までのリクの行いは、親切を押し付けていただけとも受け取れなくはない。

そう考えたからこそ、以来三年間、リクはメイに抱いた全ての感情をあきらめ、彼女に会いに行くのをやめた。

だがメイは、リクがいなくなったことでかなり困った。

特に、食事のことは……。

今まで、いかにリクに支えられてきたのかを痛感した。