中学生になってからは、小学生の時より多い小遣いをもらえるようになったので、リクはひんぱんにメイを食事に誘っていた。
成長期なのにガリガリに痩せきったメイの体。
学校で身体測定を受けると必ず、
《栄養バランスのとれた食事を、三食きちんととりましょう。》
と書かれた通知を、保健医に受け取っていた。
リクは、これからも幼なじみとしてメイと仲良くしていきたいと思う反面、テレビを彩る恋愛ドラマを過剰に意識し、その登場人物達に自分とメイを当てはめてしまうこともあった。
“いつかメイの恋人になって、メイを支えられるようなカッコイイ男になりたいな”
いつしかそう思うようになり、部活も頑張っていた。
“いつか、俺が出る試合をメイに見てもらいたい”
部活動中、先輩男子に褒められるたびに、メイが試合に来てくれる日を想像し胸を弾ませていた。
だけど、それは一方通行な気持ちなのだと思い知らされる……。
中学生活を迎えて、三ヶ月経った頃。
リクに対するメイの態度が、いきなり冷たくなったのである。


