しゃぼん玉


皆、今までメイにされたことに対し、怒りや不満を抱えていたのだ。

ある子は使用済みの黒板消しを頭に当てられ、ある子は教科書に落書きをされた。

掃除の時間に雑巾で顔を塞がれた子もいる。

メイは、皆と友達になりたいと思ってそうしていたのだが、

当然、みんなにとっては嫌がらせ以外の何物にも見えなかった。


みんながメイに受けた苦痛や心の傷が、こういう形で噴出してしまった。


メイがやめてほしいと小声で訴えても、誰もやめてはくれなかった。


「死ね!!」

「やっと仕返しできた!」

「お前なんて消えろ!」

「もっと早く転校してほしかった!」

暴言と共に降りかかる力の大雨。

拳で殴られ、足で蹴られ、髪の毛をひっぱられ続けた末、メイは無抵抗になった。

その場に立っていられなくなり、暴力の中で地に伏せる。

そして最終的に、ハサミでバッサリと髪の毛を切られた。

サラサラの髪が、力無く横たわったメイの傍らに飛散する。