いま思い返せば、あの日の出来事が、メイの生き方や人格を大きく変えることとなったのだ。
小学四年生の夏。
何があったのかよくわからないまま両親が離婚することになり、メイは悲しみに明け暮れ、泣きはらした顔で最後の登校をした。
暑苦しい季節。
この時に聞いたセミの鳴き声だけは、今も耳の奥に張り付いている……。
“この学校来るのも、今日が最後なんだなぁ”
この四年間、努力の甲斐もなく、結局メイに友達は出来なかった。
みんなに好かれなかった寂しさを胸に抱えながらも、次の小学校では友達ができますようにと願い、自分の席についた。
皆に避けられたまま過ごす、いつもの日常。
最終日もそんな流れで締めくくられると思っていたのに。
「ちょっときてよ」
転校前の最後の昼休み、メイはクラスの中心人物の女子と、その連れの女子数人に呼び出された。
メイはクラスメイトに話しかけられたことがものすごく嬉しかった。
初めてのことだったから。
足元がふわふわして、喜びで心拍数が上がる。
そのせいか、彼女達の悪意や真意に気付くことができなかった。
メイは、人がめったに来ない体育館の準備室に連れていかれた。
「ここで何するの?」
メイは無邪気な顔で彼女達を見る。


