しゃぼん玉


それから翔子達夫婦は、だんだんと互いへの愛情が冷めていった。

不毛な言い争いを避けるため、会話がなくなった。

寝室も別になり、翔子は家の中で孤立した。


メイは、翔子の顔色をうかがっていつもビクビクしていた。

夫婦関係がうまくいっていない翔子にとって、それが癪(しゃく)に触った。

「なに!?

言いたいことがあるならハッキリ言いなよ!!」

そう怒鳴ると、メイはますます怯えた。

次第にメイは翔子を避けるようになる。


翔子はどん底の気分だった。

“私の人生、もう終わりだ……。

こんなはずじゃなかったのに…………。

どこで道を間違ったんだろう……”

やり場のない鬱憤(ふっぷん)を、メイに投げつけた。

投げ続けた。

主に言葉で。

時には物をぶつけて…………。