ナナセはリョウのことを全て知っている。
付き合う前に、全て話したのだ。
ナナセは、過去をひっくるめてミズキを受け入れてくれた。
恋愛に関しては超がつくほど奥手なナナセ。
今でも、手をつなぐだけで真っ赤になって照れている。
ミズキはそんなナナセに愛おしさを感じているし、隠し事はしたくないと思った。
ナナセには、穂積メイのことを話すことにした。
その話を聞いたナナセは動揺していたし、ミズキを脅迫したメイに怒りを感じたようだ。
これまでのナナセは、ミズキがリョウの自殺の理由を両親に隠すことに賛成してくれていたが、今日は意見をひるがえした。
『その子、また、お金目当てでミズキちゃんのところに来るかもしれない!
親にも、本当のこと話した方がいいと思う。
俺でよかったらついていくし、何か出来ることがあれば協力するから……』
「そうだよね……。
普通じゃないよね、こんなこと……」


