もしまた穂積メイが現れたら、毅然(きぜん)とした態度で追い返そう……!!
リョウのノートを閉じたと同時に、バックに入っていたケータイが着信を知らせる。
「ナナセ君……!!」
彼氏からの電話。
ミズキは心を落ち着かせ電話に出たのだが……。
『ミズキちゃん、
何か…あった?』
「な、なんで…?」
『いつもと違うから』
ナナセとは付き合って半年以上になる。
付き合い出したのは、今年の2月。
高校三年生の自由登校期間中だった。
ミズキとナナセは大学一年生。
今は10月。
ナナセとは毎日のように、こうして電話しあっている。
“隠せない……”
『……もしかして、リョウ君のこと考えてた?』
ナナセは鋭い。
柔らかい口調だ。
そんなナナセの対応に、我慢していた感情が込み上げてくる。


