蝶が見る夢




『…もー、ヤダ…』


口に出した途端、ぼろぼろと涙が溢れてくる。
自分自身を否定することはとても簡単で、だからこそ、こんなにも痛いことはない。
こんなことで死ぬなんてと言えばそれまでで、けれど、私にはもう生きる自信も気力も残っていない。
自分の理想と現実がすり合わせられない苦しみ、誰かに認められない苦しみ。
ただそれだけの理由、だけど、私の痛みを誰が理解できる?
早く終わりにしたかった。














どうやって死のうかと考え続け、未だ死ねずに早1週間が経過した。
授業が終わり、のたのたと教科書を片付けていると、


『あやめー、体育館行こっ』


中学2年生の時から一緒のクラスだった友人が、私を後ろから抱きしめた。
その衝動で、座っていた椅子ごと前につんのめる。