出張(?)に行く匠の姿があまりに珍しく、私も少し早起きして玄関まで見送った。
とは言え、予定では今日の深夜には帰ってくるとかなんとか。
「延長にならないといいね」
靴紐を結ぶ匠に、冗談めいて私が皮肉を言う。
匠が早く帰りたいことなど、明確なのだ。
すると、
「そしたら、ごめんね」
からりとした返事が返ってきた。
その振り向き様の、私の顔を見る目が、滅多に見ることがないほど澄んでいて。
いつもはその硝子玉に悲観と疲労を漂わせている癖に、この匠からはそれが微塵も感じられない。
きらきらと、やる気に満ち溢れた感情が一瞬にして伝わってきた。
予想外の言葉と匠の表情に、私はぽかん。
「…あ、うん…」
「それじゃ、行ってきます」
呆ける私に気付く様子もなく、立ち上がってキスをひとつ。
とは言え、予定では今日の深夜には帰ってくるとかなんとか。
「延長にならないといいね」
靴紐を結ぶ匠に、冗談めいて私が皮肉を言う。
匠が早く帰りたいことなど、明確なのだ。
すると、
「そしたら、ごめんね」
からりとした返事が返ってきた。
その振り向き様の、私の顔を見る目が、滅多に見ることがないほど澄んでいて。
いつもはその硝子玉に悲観と疲労を漂わせている癖に、この匠からはそれが微塵も感じられない。
きらきらと、やる気に満ち溢れた感情が一瞬にして伝わってきた。
予想外の言葉と匠の表情に、私はぽかん。
「…あ、うん…」
「それじゃ、行ってきます」
呆ける私に気付く様子もなく、立ち上がってキスをひとつ。



