蝶が見る夢

流石に４日連続での勤務は堪えるなあ…なんて小さく溜息を吐きながら、ちゃかちゃかと着替えを済ませ、裏口から出る。
すると。


『…へっ？』


従業員用の出入り口のすぐ真ん前に、つい最近どこかで見たようなシルエットがあった。
そう、それは紛れもなく山際先輩で。
真っ直ぐに出入り口を見つめていたものだから、すぐに私に気付いたようで。


『久し振り』


お得意の甘い笑顔で、私に片手を振った。
私の肩から、バッグがずり落ちる。


『久し振り、じゃないですよ！なんでここに！？』


バッグを肩に掛け直し、私は先輩に近寄った。


『だって、ここで働いてるってこの前言ってたじゃん』

『い、言いましたけども！そりゃあ確かに言いましたけども！』

『なら、ここで待ってたら会えるかなって思って』