そう思った瞬間、意思とは裏腹に私の口が開いた。
『…高校生の時』
山際先輩が顔を上げる。
『生徒会長の立候補した時…演説していた山際先輩を見て、好きになっちゃったんですよ』
先輩の動きが固まった。
今更の告白に、先輩は驚いたのだろうか。
口を半開きにして、数秒、私の顔を見つめた後。
『…ありがと』
困ったように笑みを浮かべて、私の頭をくしゃりと撫でた。
そうして先輩と顔を合わせる前、先輩から…いや、ホストの「匠さん」と、店を通じて連絡先を教えられた。
実際に会ってまさかの再会の後は、その奇しくも手に入れてしまった先輩の連絡先に、私はメールをする気にも、電話をする気にもなれなかった。
まして、また出張ホストを呼ぼうなどという愚かな考えは一切ない。
『…高校生の時』
山際先輩が顔を上げる。
『生徒会長の立候補した時…演説していた山際先輩を見て、好きになっちゃったんですよ』
先輩の動きが固まった。
今更の告白に、先輩は驚いたのだろうか。
口を半開きにして、数秒、私の顔を見つめた後。
『…ありがと』
困ったように笑みを浮かべて、私の頭をくしゃりと撫でた。
そうして先輩と顔を合わせる前、先輩から…いや、ホストの「匠さん」と、店を通じて連絡先を教えられた。
実際に会ってまさかの再会の後は、その奇しくも手に入れてしまった先輩の連絡先に、私はメールをする気にも、電話をする気にもなれなかった。
まして、また出張ホストを呼ぼうなどという愚かな考えは一切ない。



