「私は訊いただけ。了承はしてないから。そんなコト…澪生が許すワケないし」



「俺は了承したと訊いた…」


「誰が…そんなコト…冗談は止めて…でも、後継者が出来なければ、トーマは社長の座を…追われるのは確実だって副社長は言っていた…」



「…俺はてっきり、叔母に命令されて俺を誘惑したんだと思った」


「え、あ…それは…澪生に浮気されて、ムシャクシャしてたし、トーマが私にドレスなんて着せるから…トーマの方こそ…」


「・・・それよりも、澪生とは仲直りしたみたいだな」


「!?」


「首に紅い痣が見える…」


麻古は慌てて、キスマークを左手で隠した。


「こんな見える場所に付けるなんて…澪生も大胆な男だな」


「トーマの方こそ??」


「俺か?美古に叩かれるし…さんざんだった」