意地悪な笑みを浮かべ、自転車をこいだ。




なんかいいな、近くて。




そっか、これが彼女の席か。




………彼女、か。




「祐希奈?」



「ん?」



「医者、なんつってた?」



「え、いつもの事だねって。あたし部活でよく捻挫してたから」



「へー……」




嘘だけど。




先生から「結構酷いねー、大丈夫?」って言われた。




「悠希君、準優勝なんて惜しかったね」



「あれは…、祐希奈が颯人ばっか応援するからだよ」



「だって総合優勝したかったから…」




学年関係なく、クラスが同じ人達は総合優勝を狙っていた。




颯は四組、あたしも四組。




だから、応援せざるおえなかった。




「次は俺応援してよ?」