「祐希!大丈夫かよ!?」



「っ……あ、颯?」




今何時? 時計を見ると、12:10を指していた。




目を擦り、颯をみる。




「え。何でそんな汗かいてんの?」




颯は、汗っかきじゃないのに、少し汗ばんでいた。




「…良かった、あんま酷くなかったんだ…」



「あぁ、捻挫だけだよ。慣れてるから平気」




そう言って笑うと、颯は無表情なまま、あたしの方に寄ってきた。




「祐希、本っ当に大丈夫だよな?」



「平気」



「っ、たく……めっちゃ心配したんだけど。祐希の怪我、酷いって聞いたから」



「まさか、走ってきたの?」




冗談で聞いてみた。